TARTUFO (トリュフ)
日本では本場フランスの”トリュフ”という名で知られ、フォアグラや キャビアと並んで世界三大珍味の一つとされている松露(ショウロ)は、 イタリアではTARTUFO(タルトゥーフォ)と呼ばれやはり珍重されて います。 何でもこのTARTUFOの歴史は深く、紀元前17世紀頃の文献にこの存 在が明記されているのだそうで、ローマ時代には、ギリシャやリビアか らの輸入物が珍重されていたんだとか。現在のように高級品として、ま た珍味として賞味されるようになったのは1700年代のフランス。こ の時期、フランス貴族はこのトリュフを媚薬として使っていたという話 です。 このTARTUFO、一般にはフランスのぺリゴール地方産が最高といわれ ているようですが、イタリアで一番有名な産地はピエモンテ地方のアル バという街。毎年11月中旬にここで開かれる見本市は、世界各地から レストラン経営者やシェフがアルバ産TARTUFOを目当てに集まると言 われています。 TARTUFOの種類は大きく分けて、白、黒とがありますが、高価で希少な のは白トリュフ。イタリアでは法律によって、採取また販売できるTART UFOが9種類あるのですが、その中でも別名”アルバのトリュフ”(TAR TUFO D'ALBA)といわれるものがイタリアでは最高値。今年、ミラノ のとある高級食料品店では、今までの最高値である1kg1200万リラ (日本円で約600万円/kg)を記録したという話。1sも食べれるもので はないとは思うのですが、さすがは世界三大珍味、です。 このトリュフ、日本の食卓ではあまり馴染みのない食べ物ではないでし ょうか。私などは友人の結婚披露宴でしかお目に掛かったことがなかっ たのですが、こちらイタリアでは意外と一般的。もちろん、白トリュフ に比べるとお手頃な黒トリュフの話ではあります。 シンプルなリゾットに削ったトリュフがかかっているだけという、トリ ュフの香りだけで頂くリゾットや、またピッツァのトッピングとしても 使われています。大型スーパーでも、ガラスケースに収められてはいま すが、お目に掛かることができるのです。日本でいう、国産松茸的存在、 といったところでしょうか。松茸風味ならぬトリュフ風味を出すための エッセンスも存在するくらいですから。 ポルチーニ茸と並び、イタリアの秋を代表する味覚です。 |